エッセイコンテスト、生成AIどう扱う。公益社団法人青年海外協力協会(JOCA)との懇談を行いました

今回お会いしたのは公益社団法人青年海外協力協会JOCAのグローバル人財育成課の大原さん、外処さん、金子さんの3人です。こちらは、矢田部、高田、松本、斉藤が懇談に参加しました。場所は、理事長の家に近い深大寺の深緑に包まれた大師(だいし)茶屋でした。

以前から、JOCAとはエッセイコンテストの打ち合わせで毎年のようにお会いしていたのですがJOCAが、本拠を駒ケ根に移されてから、電話での連絡はしているのですが、なかなか実際にお会いできる機会がなく、2019年にこちらが駒ケ根を訪ねて以来となります。コロナ禍を挟み3年ぶりということになります。

今回は、「JICAエッセイコンテスト」について、さまざまな課題について意見交換しました。最も大きな課題は生成AI「チャットGPT」をどのように考えていくかでした。

「JICAエッセイコンテス2023」の詳細は次のような内容です

募集期間 2023年6月7日~2023年9月13日 当日必着
テーマ 『地球に生きる私たち -未来へつなげるために-』

中学生 文字数1200字以内(400字詰原稿用紙3枚以内)
高校生 文字数1600字以内(400字詰原稿用紙4枚以内)
今年はウエブ応募が新しく加わりました。

私たちは、「誰と/何と」同じ地球に生きているのでしょうか?
家族、学校の友達、地域の人々、もう少し視野を広くすると、近くに住む外国人や留学生、そして他の国の人たちとも生きています。
はたまた視点を変えると、動物や植物とも同じ地球に生きています。そんな地球に生きる私たちにとって、「何を」未来をつなげていくことが大切なのでしょうか。そして、そこにはどういった課題があり、私たち一人ひとりができることは何でしょうか。

規約の中には以下のような内容が入っています

作品は、自分の考えや体験等をエッセイとして応募者本人が自ら書いたものであり、盗作や不適切な引用等をしておらず、他のコンクール事業等で発表していないものとする。

と書いてありますが、特にチャットGPT等生成AIについてはふれていません。

また、生成AIで出来上がった文章は

チャットGPTが生成する文章は、OpenAIが著作権を所有していますので、それをそのまま利用することは、著作権法に抵触する場合がありますが。もちろん出力したあとに自分で構成など考えて書くことになるでしょうから、自ら書いたものではあります。

しかし、今年は生成AIの元年となるのは間違いないでしょう。禁止しても、学生が利用して書いてくるのは自然と考えたほうが良いでしょう。今や、大学でのレポート提出で生成AI利用は避けられません。

対策もいろいろあります。教師側はあらかじめ、課題に対してAIがどのような回答を出してくるか、確認しておいたり。レポート形式でなく、教室で書かせたり、提出したレポートを口述で説明させたり、生成AIが書いた文章を識別するためのツールを使う等対策が考えられているようです。

生成AIはまさに科学の進化であり、否定するのは、非科学的な対応であり、インターネット社会の未来に逆行するものと考えます。

ただ、ご存じのように、生成AIは論理的なプログラムで作られており、論理的文書や読書感想文等を書かせるのは得意ですが、出来上がった文章が感動を生むのかということは懐疑的です。今年のエッセイに生成AIの作品が入ってくるのは間違いないので、審査側も注意深く調査していくしかないでしょう。今後、規約に生成AIを活用したことを元になった検索用語を含め自己申告させるのが良いのではないでしょうか。今後今年の結果を見て、来年への対策を議論したいと思います。

※なお、今年からWEB応募が可能となったことで、学校応募では、関心のある先生がいない学校からの応募や、海外からの応募がしやすくなることが期待されます。これは良い試みではないでしょうか。 (報告 斉藤宏)

 

Related posts:関連するブログ

2024年5月24日 仮題「ブラジル移民の人たちの今」理事会後講演会予告

移住は単に"出稼ぎ"ということだけでなく、相手国の国づくりへの貢献につながっていった 私たちNPO...

多文化キッズコーディネーター「初級講座」報告

多文化キッズコーディネーター研修に参加して 多文化キッズコーディネーター研修「初級講座」に参加して...

第1回「多文化キッズ」連絡会報告

2月15日新宿のNSビルで令和6年度多文化キッズコーディネーターの連絡会が開かれました。 2024...

JICA広報部とJAGEとのエッセイ事業についての意見交換を行いました

JICA国際協力機構とNPO法人全国国際教育協会(JAGE)の歴史 振り返ってみると、エッセイコン...

フイリッピンで女性たちの自立を支援するNPO法人ハロハロ YouTobe

https://youtu.be/e0MV3PwX3SY

わたしがほしい社会を作る NPOハロハロ 人が主役のまちづくり

フイリッピンでは230万人もの人が貧困の中で生活しています フィリッピンの人口は約1億人で日本の人...

JICEが進める「はたらくための日本語」研修の概要をお聞きしました

JICE 一般財団法人 日本国際協力センター 多文化共生事業部部長 長山和夫氏からお話を伺いました...

日本語でつながる未来をつくるために「日本語はだれのため」日本語指導者研修会2回目「ユーチューブ」

日本語指導者研修会の2回目のユーチューブまとめました 日本語はだれのためという問いかけに改めてきづ...