末森満氏講演「国際協力と地方創生」
末森満氏は現在「(株)国際開発ジャーナル社」の代表取締役社長ですが、私たち「NPO法人全国国際教育協会」の理事でもあります。
末森満氏はJICA広報課長(1998年)の時代から、一貫して海外移住事業から始まった私たちの組織の役割の重要性を認識し支援していただいております。
講演の前半では、JICAとの全国国際教育研究協議会及びNPO法人全国国際教育協会との歴史的連携を振り返ってもらいました。
この歴史的連携については、当時JICA広報課長であった、末森氏がすべて関わっており。現在のJICE(日本国際協力センター)との連携についても振り返ってもらいました。私たちも、末森氏の振り返りを聞き、あらためて連携を認識しなおしました。
2、ODA/JICAの役割の変化
講演のキーワードは以下になります。
(1)地方創生と国際協力
・少子高齢化
・「よそ者、若者、馬鹿者」
・地域起こし協力隊
・「Uターン、Iターン、Jターン、嫁ターン」
(2)移民と難民
・日本からの移住
・外国からの受け入れ
・政治難民、経済難民
・異文化理解
(3)国家安全保障と人間安全保障と経済安全保障
・途上国益・国際益・国益
・民間連携 一体(日本船団方式)→談合→癒着→分断・公平→連携
(4)戦争と平和
・民主主義対専制主義、
・課題を抱える国家
シリア(テロ、IS)
ミャンマー(軍事政権、難民、民主化支援?)
アフガニスタン(タリバン、日本避難500人)
スーダン(内戦、資源争奪、宗教戦)
ウクライナ(ロシア軍事侵攻、新冷戦)
(5)グローバル課題
・JICAの取り組みの特徴
中期計画+グローバル課題+クラスターアプローチ
・感染症対策(石油ショック→リーマンショック→コロナショック)
・カーボンニュートラル(脱炭素社会)
(リスクはチャンス、イノベーション)
講演を聞いての感想
末森氏の講演を聞いて、日本人は、過去世界に移住していった歴史があます。それを助けてきたのがJICA前身の移住事業団でした。私たち国際研は、学校現場から海外に出ていく気持ちを持つ日本人に勧奨をしてきました2018年現在で海外在留の日本人は139万人もいるそうです。
ところが現在の日本は、難民や移民の受け入れは極めて限定的です。多くの日本人移民を世界で受け入れてもらった過去を考えると、もう一度振り返り。日本にも多くの外国人を受け入れるグローバル化を考える時ではないかと思いました。
現在の日本では、少子高齢化で、限界集落が増えつつあります。地方では大きな問題になっています。地方創生には人口減少が続いている日本を再び再興させるためにも、外国人の受け入れは議論されるべきでしょう。
そして並行して必要なのは、多文化共生に向けた異文化理解と多様化を認める共生社会を作り上げていくことだと思いました。
いままさにタイムリーなウクライナの難民受け入れも国際社会の一員として実施していく必要があるでしょう。(文責 斉藤宏)