冷戦が終わり、世界はイデオロギーの不毛な対立から解決に向かうと思われましたが、良い方向に向かうどころかますます混沌としつつあります。グローバルイシューも、貧困、格差、人権、ジェンダー、民族対立という人間同士の問題だけでなく、地球気候変動に関わる温暖化、資源、食料、エネルギー、感染症などの環境問題へと大きく広がるばかりで有効な解決策は未だ見いだせません。
残された方法は、次世代を担う 青少年達が地球市民として国境を乗り越えともに手を取り合うことです。そのためには、自分と全く違った価値観を持った人達と、違いを認識しつつ相手を尊重しながらコミュニケーションを深め、ぎりぎりの問題解決を行える人間を育てる教育こそが最も有効な手段でしよう。このような目的で行われる教育を「グルーバル教育」と考えています。
私たちは、地球社会の課題(グローバルイシュー)に目を向けることのできる人間、「共に生きる」ことの意味を考え続けていける人間、一部のトップエリートだけでなく、むしろ青少年全体を21世紀型市民として育てていきたいと考えています。
グローバル教育は、従来の知識注入型の教育とは違います。教科書に載っているアカデミックな知識が過去の固定された知見とすれば、世界で解決できないグローバルイシューと言われる問題は、「現実の動的な問題」と考えると理解できます。「現実の動的問題」解決は複雑で、相手、地域などの違いにより解決策はおのずと違ってきます。
そこで、グローバル教育では、参加型、対話型学習を常に活用します。現実の動的な問題に対応できる人間形成を行います。多様なアクティビティーにより活動することで、思考力・判断力・表現力を養います。
グローバル教育の効果は、国土もせまく、資源もない日本がグローバル社会の中で「世界と共に生きる」道に進まざるを得ない今、社会から望まれる人材を育てることができると考えています。
全国国際教育協会はその生い立ちから、学校現場での豊かな経験をベースに「市民と教育現場をつなげる」活動に全力を尽くします。
全国の学校現場との強い人脈は学校現場へのグローバル教育の浸透を大きく発展させることになるでしょう。