知らない間に、使えるようになってきた「マイナポータル」の活用、デジタル化は待ったなし

2月理事会後の研修会報告

2月定例理事会のあとの研修会では、知らない間に使えるようになってきたマイナポータルの活用について研修を行いました。講師は斉藤が務めました。

住基カードと「同じ運命」で消え去ると思っていたマイナンバーカード

2017年から政府が主体となり、運営を開始したサービスですが、ほとんど話題にもならず、マイナンバーカードも取得率が低く、活用する人はわずかでした。

私は、そのころから、「確定申告」をPCからおこなってきましたが、必要なアプリをインストールする必要があり、PCバージョンアップするたびにアプリが変わり、毎年始める前に、インストールを繰り返さなくてはならず、はっきり言って便利とは言えませんでした。それこそITに詳しい人でないとPCの条件を整えることすらできない方が多かったのではないかと思います。

ところがデジタル庁が2021年9月にできてからその進化が一気に進みました。今年は、気付いたら,PCからもスマホからも、PCのカードリーダーがなくても確定申告することができるようになっていました。日本もやっとDXの時代が来たと思いました。

20000円のマイナポイントが効いて2023年2月で申請率が68.8%になった

やっと、マイナンバーカードの取得率が上がってきました。デジタル庁の資料では2023年2月12日で申請が8661万枚で68.8%になったということです。コロナのワクチン接種の時もそうだったですが、日本人の場合、まず疑ってスロースタートで、次は周りをみて、これは取得しなくてはという感じですね。最終的にはマイナポイント20000円付与が効いた感じです。(グラフはデジタル庁より)

マイナンバーカードも、かって失敗した「住基カード」の時のようにセキュリィティが疑問となり、最初は信頼されていませんでした。しかし、内部には個人情報が入っているわけでなく、不正に情報を読みだそうとするとICチップが壊れる仕組みだとわかってくると次第に申請が優位になったと考えられます。

マイナポータル連携機能が手間を省きデジタルのメリットを実感させた

便利さの理由はスマホのNFC「Near Field Communication」機能のおかげ

「ICカードリーダー」を使った読み取りは以前から行われていたのですが、ワクチン証明が始まった時期(2021年12月ごろ)から接種証明アプリがダウウンロードできるようになり、接種後にアプリを使い、アンドロイドもiphoneも「NFC対応スマートフォン」により、非接触でマイナンバーカードが読みとれるようになりました。スマホとマイナンバーカードを重ねるだけで読み取れるようになり、ほんとに便利になりました。

NFCはお財布ケ-タイ機能(FeliCa)とは近距離無線通信としての機能は同じですがTypeが違います。NFCは「Near Field Communication」の略で、近距離無線通信を意味します。 非接触ICチップを使って、かざすだけで通信できる通信規格のことです。 通信エリアが短いことが特徴で、おサイフ機能付きのスマートフォンや、Suica、PASMOなどの交通系ICに使われている技術になります。その他、モバイルSuicaなどの電車やバスで使用できる交通系ICサービスにもNFC(TypeA、TypeB)が活用されています。日本ではSONYが開発したスピードが速い「FeliCa」(TypeF)がお財布ケータイとして使われることが多いのですが、海外に行くとNFCが主流となります。このNFCがケータイについたことで「ICカードリーダー」がなくても認証できるようになりケータイはほんとに便利になりました。

もう確定申告の時に税務署で順番待ちの必要がなくなった

取得できる証明書ですが、これも瞬く間に多くのデータが取得できるようになり、確定申告がほんとに楽なのです。

年金情報はもちろんデータで受けられます。なかでも、医療費情報が便利です。役所から紙ベースで使った医療費情報は送ってはきますが、それがデータとして取得できますので、控除対象になるかすぐにわかります。病院も調剤薬局もまとめてデーターに入ります。これに、ドラッグストアなどで買った市販薬を加えればめんどくさかった医療費控除も申請できます。

しかも、e-taxでそのまま申請の場合、添付の資料をつける必要がありません。税務署に行く必要が全くないのです。ふるさと納税もデータダウンロード連携しこれで行うことで領収書等添付の書類をもって税務署に行き、順番待ちをすることなく、自宅からすべての届を出すことができました。

気を付けることですが、PCのe-Taxデータとスマホのe-Taxデータは互換性がないそうです。私は両方で打ち込んで、データーをコピーして試してみましたが、確かに読み取れません。これはどちらでやるか決めてから始めたほうがいいです。このレベルであれば、最初からスマホで打ち込んでいくのが楽だと思います。今は、スマホからも印刷はできますので、PCがあっても、ICカードリーダーがない人は最初からスマホでやるのが便利です。

ただし、ICカードリーダーがない人の場合に対応して、PCで始めても、QRコードをスマホで読み込むことで、ログインできますので、これを活用すればICカードリーダーも買う必要はなくなりました。

「z世代」の多くはPCは持っていないがスマホですべて行う人が増えた理由がわかります

いよいよスマホは必須ですね。PCは自宅では確かに便利ですが、持ち歩くには、重さと、ネット接続に難があります。軽いPCは高いし、結局ネット接続にはテザリングが必要になり、スマホやポータブルルーターが必須です。

しかも、PCは3年か4年で陳腐化しますが、そのあとデータの継承が楽ではありません、HDDお引越しソフトを使っても、3時間はかかります。

一方スマホは古くなってもGmailですべて結びついているので、初心者でも30分ぐらいで全く同じ環境が出来上がります。さらにアンドロイドだとSDカードが1T(テラ)バイトまで使える機種が増えてきたので、言ってみれば、いままでのPCのデータがすべて入ってしまいます。写真でも資料でもいれホーダーイと言えます。顔認証や指紋認証とかにしておけば落としても中身を取られることはないので、スマホを使わない手はないです。

文責 斉藤宏

 

 

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