NPO国際教育研究協議会(JAGE)は日本語指導の事業も行います。
NPO国際教育研究協議会では、今後の事業の柱として、すでに、日本で生活している300万人の外国人在留者の人々に対して、過去に日本人の海外移住を勧奨してきた私たちの活動の歴史からも、支援すべき活動と考え、私たち自身の研修も含めて、「やさしい日本語」指導の指導者研修を行いました。
「日本語でつながる未来を創る」講師プロフィール
斉藤小郁
1989年3月 獣医師 (2023年現在は動物専門学校講師)
2016年6月 日本語教師(日本語教師養成講座420時間講習修了)
2016年12月~現在 地域日本語教室における活動継続 生活者、ビジネスマン、中学生などの日本語指導
2018年7月 専門日本語教師(介護の日本語)
2019年~2021年 ベトナムハノイでの日本語教師
2022年1月 文化庁令和3年度日本語教育人材研修プログラム「就労者に対する日本語教 師」修了
2023年3月 文化庁令和4年度日本語教育人材研修プログラム「子どものための日本語教育研修」修了
いま日本語教育の現状はどうなっているのか
「文部科学省の共生社会の実現に向けた帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援」
によると、公立学校における日本語指導が必要な児童生徒は10年間で1.5倍増(平成30年で5万人を超えています。令和元年度では約2万人の外国人の子供が就学していないか就学が確認できないことが明らかになっています。)
高校生の統計でも、進学率でみても全高校生の進学率が71.1%に対して日本語が必要な高校生は42.2%しか進学できていません。しかも、せっかく就学しても、中退する率は、一般の高校生の7倍と言われています。このことからも、日本語学習の必要性が理解できると思います。
文科省は、対策として 義務標準法に基づく日本語指導に必要な教員の基礎定数化(児童生徒18人に1人、平成29年度~令和8年度まで計画的に措置)
• 「帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業」により、日本語指導補助者・母語支援員の派遣、ICTを活用した教育・支援等を推進しています。
学習指導要領においても
小学校学習指導要領の総則のなかで
海外から帰国した児童などの学校生活への適応や,日本語の習得に困難のある児童に対する日本語指導
ア 海外から帰国した児童などについては,学校生活への適応を図るとともに,外国における生活経験を生かすなどの適切な指導を行うものとする。
イ 日本語の習得に困難のある児童については,個々の児童の実態に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。特に,通級による日本語指導については,教師間の連携に努め,指導についての計画を個別に作成することなどにより,効果
的な指導に努めるものとする。
とかかれて書かれていますが、教育現場ではほとんど追いついていないというのが現状です。この現状からも私たちがこの分野においても支援体制を組んでいくことは必要だと考えています。
研修を受けてみて感じたこと
私たちにしてみると、教員として、いままで話してきた日本語が、外国人にとってどのような理解が得られているのかこの研修に参加して、理解が進みました。
研修のあとの意見交換において 「はさみ」の理論は目からうろこでした。「不要です」、「どちらのご出身ですか?」 「いかがですか?」「今朝、こちらはセール対象外です」 「キンキンに冷えたビールですなど」 はっきり言う、最後までいう、短くいうというはさみにいつも注意しなければならないことが理解できました。
コンビニで、店員は外国人が多いいですが、お箸いりますか? 袋いりますか?と聞かれることは多いです。その時につい「大丈夫です/結構です/いいです」とこたえていませんか
確かに、「結構です」は理解できないと思います。「いりません」とはっきり言うことが必要なのです。
その他も、外国人から今度の日曜日、ランチに行きませんかと聞かれたときに、行かないときに、日本人的には「すみません、日曜日はちょっと・・・。」とこたえることが多いと思いますが、これは外国人には伝わりません。はっきりと「いけません」とこたえることが」必要なのです。はっきりとこたえることが必要なのです。
また擬音語、擬態語は日本人の感覚と外国人では同じではありません。「キンキンに冷えたビールです」などは伝わりません。これから注意しなくてはならないと理解できました。
この研修会は、2回目を9月21日(木曜日)3時半からを予定しています。参加希望の方はご連絡ください。saito*kokusaiken.org
(報告 斉藤宏)