「日本人と海外移住」 3つの歴史的ポイント

「日本人と海外移住」をわかりやすくユーチューブにまとめました

以前から、私たち「NPO法人全国国際教育協会」グループのオリジンである移住の問題を詳しく紹介したいと思っていたのですが、JICAで中南米で活躍し、横浜の移住資料館の館長でもあった高井正夫氏に講演をお願いすることができ、あらためて日本の移住の功罪を知ることができました。文章では講演の報告でまとめたのですが、もっとわかりやすくお知らせするためにユーチューブでも編集しました。この講演を聞いて改めて、移住の功罪が見えてきました。ぜひご覧ください。ユーチューブのチャンネル登録もお願いいたします。 その2続編で youtube「移住を志した動機」についても次に紹介します。

なぜ私たちが移住の問題を取り上げるのか?

それは私たちグループが全国各地の農業高校を中心に戦後の移住を広めるために活動してきた歴史があるからです。戦後海外移住が再開されたあと、農業独身青年の移住が盛んになり、その対象となる青少年に対して、海外移住の正しい理解と発展を促すための教育の必要性が論じられるようになり、海外協会が海外に関心をもってクラブ活動などを行っている「農業高校」に対して「海外移住モデル農業高校」に指定して助成を行ったのが、私たちの会の起源と考えています。

1958年「海外移住指定校」のちの1963年海外移住推進高校と改称され、JICAに「海外教育推進校」と改称されJICAとの密接なお付き合いが始まっています。
現在、海外移住資料館の図書の中に
当協会が当時発行したインフォメーション
「全高海協インフォメーション」(s49年3月からs50年11月)(当時の名称)全国高等学校海外教育研究協議会
「全国高校海外教育指導教師連絡会議資料」等が所蔵されています

web検索もできますので調べてみてください。「海外への道」「全高海協」等と入れると探せます

「インフォメーション」から過去の活動まとめ

海外教育研究活動の開始(※全国国際教育研究協議会インフォメーションより 抜粋)
戦後、海外移住が再開され、農業独身青年の移住が盛んになり、その対象となる青少年に対し、海外移住の正しい理解と発展を促すための教育の必要性が論じられるようになってきました。
県によっては、海外協会(県における海外移住実務機関)が、海外に関心をもち、クラブ活動などを行っている農業高校を「海外移住モデル農業高校」(当時のJICAの資料でも明らかにされています)に指定し、資料の配布や講師派遣などの助成をした。
それらの高校では、学校行事や課外活動の中で、講演会や映画会などを開催し、なかには、拓殖講座を開設した学校もありました。
当時、中央の海外移住実務機関であった・日本海外協会連合会でも、これらの教育活動を高く評価し、1958(昭和33)年「海外移住指定高校」(のち、海外移住推進高校と改称)を設定、指導教師の育成と生徒のサークル活動に対し、側面的な援助をはじめた。このような動きは、漸次、全国的な規模へと拡大されていきました。
その後、日本の経済は飛躍的な発展を遂げ、国際社会において日本の地位が向上し、国際人としての日本人の教養が論議されるようになってきました。
一方、全国の指定高校代表者の研究集会などにおいても、しばしば、国際理解・国際協力に関する学校教育のあり方とその方法が検討され、より実践的な国際活動を基盤とした「国際社会で活躍できる人材育成のための教育活動」を推進する必要が強調されました。
その頃、栃木県の教育委員会や関係機関においては、国際化時代に即応した教育として「海外教育」をとりあげ、海外教育の指導手引書を作成し、実践教育を展開しました。
このことは、各県における海外教育の考え方や活動の方向に大きな影響をもたらし、全国の都道府県に「高等学校海外教育研究協議会(県によっては、研究会などの呼称)」が結成されるようになりました。
1963(昭和38)年「海外移住推進高校」は、海外移住事業団(現国際協力事業団)によって引継がれ、「海外教育推進高校」と改称されました。

日本に戻ってきた出稼ぎ労働者や移住者が日本で生活していくための課題が発生

現在、日本が送り出した移民の家族、二世などが日本に戻り、コミュニティーを作っています。ブラジルタウンと呼ばれる群馬大泉では、ブラジル人だけでなくネパール、ベトナム、カンボジアといったアジア系の移民も増えていて、語学や家庭教育の問題も増えているそうです。私たちも、過去に送り出しただけでなく、いま日本で起こっている課題、いわゆる多文化共生の問題に取り組んでいこうと考えています。(報告 斉藤宏)

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