都立大島高校「留学生との交流会」のコーディネ―トしました

平成30年(2018)3月19日の都立大島高校「留学生との交流会」のコーディネート紹介

私たちNPO法人全国国際教育協会は、東京都立大島高等学校から依頼を受けて、平成30年3月19日、「留学生との交流会」に協力した。その概要を紹介し、報告する。
講師を務めることになった5人の留学生は、ミャンマー出身3人、ネパール出身1人、ブルキナファソ出身1人である。NPOからは理事長他3人が担当した。

 


当日午前8時20分に予定どおり竹芝を出発した高速ジェットフェリーは1時間45分後には岡田港に着いた。高校では、早速、体育館で、江森忍副校長から、集まっている生徒たちに紹介され、まず、常任理事豊田岩男から15分、「グローバル時代を生きる」という主題で講演をした。続いて、ミャンマー出身の2人の女性留学生講師が民族舞踊を披露した。
その後、参加生徒たちは、1年生41人、2年生53人、計94人であるが、2学年混合で5班に分かれて、それぞれの教室で、留学生の話を聞き、生徒たちと質疑応答をする方式で進行した。11時10分から11時40分までの30分、11時50分から12時20分までの30分と2回に分けて、どの班も2人の留学生と交流できるようになっていた。終了後、校長室で、留学生たちとNPO担当者は、浅見浩一郎校長と挨拶、懇談をした。
体育館での全体交流と教室での分散交流とから成るこの日の留学生との交流会が、大島高校の生徒たちにとって、世界に目を向けるための、そして自分たちの生き方に新しい目を向けるための、一つの刺激になればさいわいである。

 

大島高校の金子先生、佐藤先生にも、ご協力いただき、お世話になった。お礼申し上げたい。以下、生徒たちの声、全体講演、留学生たちの交流会での紹介事項について、その概要を紹介する。なお、留学生たちによる紹介事項は5人のうち3人分の報告を受けたので、その限りでの報告である。

なお、このような留学生との交流会のコーディネートあるいは駐日大使館の話を聴く会などを実施することに関心のございます方は、どうぞお気軽に、私たちNPOに、メールや電話などで、ご相談ください。

1 参加した生徒の声

●世界の国々について自分の知ら

ないことばかりであることが、よくわかった。そしてミャンマーやネパールにある景色や自然を見てみたい、と好奇心が湧き上がってきた。植物も面白いが、宗教や伝統文化、神話や言い伝えなどにも大変興味がでた。もっともっと自分の知らないことを探求していきたいと強く思った。(農林科1年生 S)

●ミャンマーの風景を見せてもらいましたが、どこもきれいな場所で、写真を撮ったり風景を見に行ってみたいと思いました。大島は椿が有名ですが、ネパールにも有名な植物があるという話を聞いてとても気になりました。私が話を聞いた、ネパールとミャンマーの方は、日本語をものすごく流暢にはなしていて、すごいと思いました。(日本語は難しいと聞いたので)。ネパールの方が、日本に来たばかりの時に日本語が話せず、わからないことを聞くこともできず困ったことがあるとおっしゃっていて、もっと外国人が過ごしやすい日本になるといいと思いました。 (農林科2年生 S)

●ミャンマーにあるタナカという木について初めて知り、興味が出ました。そして外国の文化やお祭り、植物などにとても興味がわきました。(農林科2年生 I)

●言語や文化などいろいろなことについて聞くことができてよかったと思います。外国のことについてもっと多くのことをしりたいと思いました。(農林科2年生 S)

●今回の交流で、外国の色々な文化を知ることができた。日本のジャンケンにあたるものが他の国にもあると知り、とても興味深かった。また、民族衣装はそれぞれ色々な工夫があり面白かった。他の国の衣装や文化について勉強したいと思った。もし外国に行くことになったら、今回教わったことを活かしてコミュニケーションをとっていきたい。(農林科1年 T)

●外国の文化に触れることで、知らない食べ物や風習を知れて楽しかったし、ためになった。驚いたことはバオバブのソースがあったり、ミャンマーでは水かけ祭という祭りがあるということです。僕も人に水をかけたいので、ぜひミャンマーに行きたいです。世界の色々な国に興味がわきました。本当にありがとうございました。 (農林科2年 M)

2 講演:NPO法人全国国際教育協会常任理事 豊田岩男

ご紹介をいただいた私たちNPOの3人は、70歳を過ぎており、3人ともにかつては都立高校の教員でした。そして、54年前の東京オリンピックを経験しています。
私は今回の東京オリンピックに備えて、日本を訪れる外国の方々とお話をしたいため英会話のレッスンを始めました。皆さんも、オリンピックを目指して何か目標を立てると良いと思います。
国際理解の基本は、人と人の場合も国と国の場合も同じだと思います。大切なことは、相手の立場に立って物事を考え、相手を知り、理解し、互いに違いを認めあうことだと思います。
近頃、「グローバル」という言葉をよく聞きますが、これは世界の捉え方が時代とともに異なってきたということだと思います。1961年に現在のロシア、当時のソ連のガガーリンという人が世界で初めて大気圏外を飛行しました。その時、初めて人類は肉眼で大地は球体(グローブ)であることを把握しました。その頃からグローバル時代は始まったとも言えます。グローバル時代にどう生きるか、いろいろ学んでいきましょう。きょうの交流会も
みなさんにとって、何かの役にたてばいいと願っております。

3 交流会で講師を務めた留学生から提供された報告資料

その1 熊谷幸子氏


・講演内容

ミャンマーの暮らし、文化などについて
ミャンマーの 学校に通う年齢、学校で初めて 習う文字、簡単なミャンマーの挨拶、言葉、ミャンマーの 学生の生活などを説明しました。
ミャンマーの一般的な学生服である緑色の巻きスカートを 男性用女性用夫々用意し、男女二人を モデルとして 巻き方を 教えました。日本の服とは 全然違うので、体験出来た事に 喜んでいました。

一番盛り上がったのはミャンマーの伝統である日焼け止めの話のときです。クイズを まじえながら生徒達と交流しました。
生徒達はクイズに楽しく答えてくれました。日焼け止めの木の名前は ( タナカ )だったので、その後 私はタナカさんとよばれました。
最後は ミャンマー式遊びのジャンケンを教えました。生徒達は ミャンマーのジャンケン を 一生懸命 やっていました。
その他、私が日本に初めて来た時慣れない環境での生活習慣の話や、私から見た日本人の礼儀正しさや、時間を守ることなどを話題にしました。
・感想
あっという間に終わり、楽しい時間でした。生徒たちも興味をもって聞いてくれてよかったです。先生達には 感謝をしています。もっと時間が長くてもよかったと思うぐらいです。機会がありましたら、またお願い致します。今後のミャンマー関係の予定をお知らせします。

 

4月1日 日比谷公園 ダジャン(水祭り) 無料
4月15日 戸山公園(高田馬場) ダジャン(水祭り) 無料
4月18日 全日空ホテル(港区赤坂) アジア婦人会 3000円程度
4月30日 ミャンマー大使館 アジア婦人会関連イベント 一般非公開
6月1日 未定 日本ミャンマー友好協会総会 有料(料金未定)
6月30日 増上寺(芝公園) ミャンマー祭り 無料
7月1日 増上寺(芝公園) ミャンマー祭り 無料
*3月25日の日曜日から毎週日曜日はミャンマー大使館で大使館スタッフや留学生にミャンマー祭りの為に、踊りを教えます。

その2 テテモン氏

1. 国旗や地理から見えるミャンマーの歴史

国旗の⼀部である⻩⾊の部分は「国⺠の団結」を⽰しているように、現在のミャンマーはその「国⺠の団結」でもってイギリスから独⽴しました。また、国旗中央の⽩の星マークは百以上の⺠族をもつこのミャンマー国の統⼀を意味しています。ミャンマーは南側に海があり、それ以外はバングラディシュ、中国、タイ、ラオス、インドと接しています。インフラの整備が進めば陸路の物流が増え、より⼀層隣国との貿易が盛んになると⾔われています。ミャンマーは地理的に南北に伸びています。経済の中⼼地は南の⽅に位置し熱帯に属しますが、北部は⽇本の気候に近く、⼀年中⾼温の中で過ごすヤンゴン在住の⼈にとって避暑地として⼈気があります。

2. 若い国、ミャンマー

⼈⼝は約5 千万⼈、平均年齢は28 歳、平均寿命は66 歳です。わたくしの年齢がミャンマーの平均年齢に当たります。ヤンゴンを訪れたとある⽇本⼈から、通りの⼈たちはみな若く⾒えたと⾔っていました。これはデータで証明されているといっても過⾔ではありません。

3. ミャンマー人の多くは敬虔な仏教徒

⼈⼝の約9 割は仏教を篤く信仰しています。どの⼈でも⼈⽣に最低1回は剃髪し、1週間程度寺に⼊ります。わたしの兄は仏教に熱⼼で年に2〜3回も出家しているほどです。誕⽣⽇や記念⽇などで、⾃宅にお坊さんを招き、お経を唱える、⾷事をご馳⾛するというのはごく当然のことです。そうすることで、ミャンマー⼈は「徳を積」んでいます。それが良い来世につながると信じています。⾃宅に友⼈などを招き⾷事を振舞うのは、単に⼀緒に⾷べておしゃべりするというよりむしろ、それ⾃体が徳を積む⼀つであることをミャンマーの⼈たちは習慣として持っています。⾷事の主催だけでなく、仏像の寄付、⾦銭の寄付も「徳を積む」⼀つです。⾒た⽬として⽇本の仏像と違うのは、ミャンマーの仏像は⾦⾊に輝いています。つまり、ミャンマー⼈は⽇常的に仏像に⾦箔を貼っています。仏像を綺麗にするのも「徳を積む」⼀つです。いちどミャンマーを訪れた⽇本⼈が感じることは、どのミャンマーの仏像もきらきらと輝いているということです。

4. 水まつり

ブッタは4⽉にお⽣まれになったことを祝って、当⽉はミャンマーの正⽉です。だいたい4~5 ⽇ほどこのお祝いで全ての経済がストップします。かつては10 ⽇以上休みがあって、輸⼊業者は4⽉の前に業務の⽀障がないように、その前⽉の3⽉に、慌しくなります。

5. 八曜日占い(水曜日の午前・午後生れでそれぞれ別にカウントし、全部で8曜日とする)

結婚、恋⼈、ビジネス、⼈⽣の転機で、ミャンマー⼈は曜⽇を基準として占いをします。わたくしの彼⽒(現夫)について母親に教えたときの第⼀声は彼が何曜日生まれかでした。ヤンゴンの中心的寺院であるシェダゴン・パゴダには曜日ごとにお祈りする場所がありますので、機会があれば⼀度訪ねてみてください。

その3 ピィソントウン氏

2018年3月19日に東京都立大島高等学校で高校生たちにミャンマーで最も有名な5つの場所を紹介させていただきました。5つの場所は以下となります。

1. ヤンゴン

ヤンゴンはミャンマーの旧首都で第一都会である。多くの観光客や外国人が訪れ人気のある場所である。様々なミャンマーの民族、中国人、日本人も滞在していて和食店も最近増加していること。経済中心地であること。そして、およそ2600年前に造られたと言われているヤンゴンにあるシュエダゴンパゴダのこと。
2. マンダレー

マンダレーはミャンマーの第二都会で日本の京都と似ていること。ミャンマーの最後の王朝の王族が住んでいた王宮を紹介しました。戦後、イギリス人たちが住んでいたが現在誰も住んでおらず中に入って王宮の様子と展示品が見られること。

3. インレー湖

ミャンマーで2番目大きな湖である。イン(湖)レー(4)で4つの湖が一つになったこと。世界遺産に登録されたこと。そこに住んでいる人たちは水の上に家を造り、水上で果物や野菜を植えて生活をしていること。人々は小さいボートを片足で動かせて移動すること。かなり人気の高い場所であること。

4. ゴールデンロック

チャティーヨー山の頂上に乗せてあるパゴダであること。落ちそうに見え、パゴダの下と山の頂上の間は糸が通れてかなりパワーのあるパゴダであること。そこに祈ると願いが叶うと言われていること。パゴダの近くには男性のみが行けることもミャンマーの文化の一つであること。女性に差別があることではないので理解すること。

5. バガン

非常に人気の高い場所であること。ミャンマーの仏教が始まった場所である。多くの仏塔が造られどれくらいあるかはっきり言えないこと。仏教研究者や観光客で年中にぎやかである。ミャンマーのこと、仏教のことが詳しく知りたい人に最もお勧めしたい場所であること。

以上の5つの場所について紹介しました。学生たちはミャンマーのことに興味を持ってくれました。さらに、日本と異なってミャンマーでは3つの季節(夏、雨期、冬)しかないことも加えて紹介しました。国の文化の違いとして、日本でラーメンを食べる時音がするのは当たり前の様に見えますが、ミャンマーでは失礼であることを説明しました。自分の国のことが紹介でき、ちゃんと聞いて質問してくれた学生たちにも感謝した交流会でした。


以上の5つの場所について紹介しました。学生たちはミャンマーのことに興味を持ってくれました。さらに、日本と異なってミャンマーでは3つの季節(夏、雨期、冬)しかないことも加えて紹介しました。国の文化の違いとして、日本でラーメンを食べる時音がするのは当たり前の様に見えますが、ミャンマーでは失礼であることを説明しました。自分の国のことが紹介でき、ちゃんと聞いて質問してくれた学生たちにも感謝した交流会でした。

NPO法人全国国際教育協会では、このような交際交流をコーディ―ネートします。生徒たちが学校にいながら世界の人々と交流できるようにお手伝いいたします。また、国際理解推進のためのアクティブラーニングやアクティビティもコーディネートできます。ご連絡ください。

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