多文化共生の灯を掲げて 〜矢田部正照氏を偲ぶ〜
特定非営利活動法人全国国際教育協会顧問の矢田部正照先生のご逝去の報に接し、深い悲しみとともに、これまでの多大なるご功績に敬意を表したいと思います。享年84歳でした。
矢田部先生は、戦後、日本の移住政策を見据えた農業高校生への移住勧奨を はじめ、国際教育および開発教育の発展にご尽力されました。その情熱と取り組は、数え切れないほど多くの若者に国際的な視野と未来への希望を与え、日本国内外の教育分野において大きな足跡を残されました。都立高校を退職されてからは、特定非営利活動法人全国国際教育協会の設立に関わり、学校内部だけでなく、市民と学校現場をつなぐ役目をはたされました。
また、近年においては、多文化共生社会の実現を目指し、在京外国人への支援に尽力されてきました。矢田部先生の活動は、異なる文化を尊重し、多様性を受け入れる社会づくりに寄与し、多くの人々に勇気と支えを与えました。
その温かいお人柄と揺るぎない信念は、共に働く者、支援を受ける者の心を照らし、多くの人々にとっての希望の灯となりました。矢田部先生の存在が私たちにもたらした教えと価値観は、これからも色褪せることなく、次世代へと受け継がれることでしょう。
心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、矢田部先生のご家族、ご友人、そして長年共に活動をされてきた方々に深いお悔やみを申し上げます。矢田部先生の思いと志を胸に、私たちもまた未来に向けて努力を続けていきたいと思います。
安らかにお休みください。
特定非営利活動法人 全国国際教育協会 理事長 高田幸一
※お通夜は12月29日で30日が告別式になります。
国際開発ジャーナル誌 2024年6月号の国際協力への道程で詳しい記事になりました。これが最後の記事でした。矢田部先生の道程を知るためにも、ぜひお読みください。
矢田部先生は「一歩踏み出せば、必ず目的地には着く」ことを信条に、日々一歩をこころがけてきたそうです。教師生活を終えてからも、特定非営利活動法人 全国国際教育協会のリーダーとして歩をすすめ、教育現場を支援してきました。