11月10日実施の在京外国人のための都立高校進学ガイダンス報告
11月10日の都立高校進学ガイダンスは写真のように会場は、ほぼ満員で盛況のうちに終了いたしました。
予想していた通り、東部地区でのガイダンスがいままでなかったため、居住している地元で話を聞けることもよかったのではないでしょうか。
プログラムは
1在京外国人のための都立高校入試概要
2高校卒業の意味、日本で働くために
3先輩の体験談
4都立浅草高校の説明
5個別相談
の順で行いました
まず、当協会の松本より、在京外国人の入試の概要についてスライドにて説明しました。
ポイントは、日本に上陸して3年までの外国人が受けることができる作文と面接だけによる入試について説明し、その他全部で3月までに4回ある一般入試の説明を行いました。一般入試の場合は、教科による試験がありますが、3教科(国語、数学、英語)と5教科(国語、数学、英語、理科、社会)の学校があります。ここもポイントです。
また、一般の1次、2次入試においては自己PRカードが必要になってくるので、準備をしておきましょう。また、一般入試における、応募者、合格者のデータを東部地区に関連する学校についてお見せしました。これにより入りやすい学校もあることがわかりました。また、定時制においては部により応募者に差があることもデータで表示いたしました。
昨今、在外外国人入試の倍率が上がってきて、昨年も合格できない外国人が増えてきている中、都立高をうまく選べば、入学可能性が高まることを説明しました。
いずれにしても、都立高校に入学するためには、受検可能か否か資格審査が必要です。資格審査は12月1日と12月15日です。これには予約が必要です。これを忘れると困ることになるので、この日は必ず予約して、資格審査を行ってください。
事前応募資格確認(じぜんおうぼしかくかくにん)
在京外国人生徒等対象ざいきょうがいこくじんせいととうたいしょうの入試を受検にゅうしをじゅけんしたい人向ひとむけけに、応募資格おうぼしかくがあるかどうか、事前に確認じぜんにかくにんする機会きかいをもうけています。
日時(にちじ) 令和6年(れいわろくねん)
(2024年ねん)12月がつ1日にち(日曜日にちようび)
12月がつ15日にち(日曜日にちようび)
時間 午前10時30分から午後0時30分
午後 1時30分から午後5時まで
場所 東京都庁第一本庁舎5階 大会議場
住所 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号
参加には、事前の予約が必要です。詳細は東京都教育委員会のホームページを必ず確認してください。
貴重な先輩の体験談
次に先輩の話をインタビュー形式で聞きました。この日、都立南葛飾高校の1年生3人がきて話してくれました。今回のプログラムの中で、外国人の皆さんが一番聞きたかったことだと思います。
先輩たちの在京外国人等の入試を受検した体験談
皆さんの一つ上の先輩南葛飾高校の1年生、ウクライナ、ミャンマー、モンゴルからきた3人の高校1年生にインタビュ-しました。現在3人とも南葛飾高校の全日制課程に通っています。
Q日本語の勉強をどのくらいしていますか?
日本語の塾にかよいました。足立14中で放課後塾に行って日本語を勉強しました。
日本語は4年前からしました、葛飾区小松中に通っていました。中学校の先生から、日本語のサポートに行けと言われて、9月から12月まで勉強しましたそして面接の練習も中学の先生がしてくれました。土曜日に日本語のサポートを受けていました。葛飾区の金町中学校に通いながら2年間日本語サポートを受けました。
Q受検するまえに、日本語自信ありましたか?
あまりありませんでした。日本語の壁は大きかったけど、頑張って入試をうけました。
志望校をどうやって決めたか。いろいろな高校を見に行って、結果、都立南葛飾高校には外国人のための日本語のサポートがあるので決めました。そして在京外国人枠の入試があるので決めました。
私は友達がだいたい都立南葛飾高校に行くと聞いて、うちもいこうかなと決めました
入試科目は在京外国人のための入試を受けたので、作文と面接でした。
Q作文で何を書きましたか?
ここに入ったら何を頑張りたいかと書いて、私は日本語を頑張りたいと書きました。
ここの学校に入ったら部活や勉強を頑張りたいと書きました。バトミントン部にはいりたいと書きました。中学の時にやっていたからです。
私も部活のことをかきました。軽音部に入りたいと思って書きました。それは自分でギターをやっていたためです。それで受かりました。
Q面接はどんな感じでしたか?
面接の先生が3人で生徒一人でした。得意なこと、長所とか短所とか聞かれました。
Q作文や面接の準備はどんなことをやりましたか対策はいつごろから?
塾で作文と面接の準備をしました。「失礼します」とかやりました。受験の前3か月前からずっと家で勉強していました。
9月から勉強しないとやばいかなと思って、毎日作文を書いて練習しました、書いたものを中学の先生に出してみてもらった。11月から面接の練習が中学校で始まりました。地域の人とかもきて練習してくれました。入るときの「失礼します」とか何度もやった。左側に立つとか、ユーチューブの面接動画もみた。高校生用ではない就職用みたいなものでした。
T 準備は大切ですよね、作文の練習とか、具体的に高校で頑張りたいこと、自分が将来どんなことをやりたいかしっかり考えておくことですね。面接のときには緊張していますがしっかり敬語とか使えるように日頃敬語が使えるようにしておくことです。
Q都立南葛飾高校では、日本語、英語をえらべるんですね?
日本語か英語か最初に早く決めておいたほうがいいです。都立南葛飾高校はどちらでも選べるので。私たち3人は日本語で受けました。敬語は難しいですが、面接のときは敬語も勉強しておいたほうがよいということですね
Q中学の時の勉強なんですが学科の勉強は難しかったですか?
中学の時は、日本語がまだしゃべれなかったので勉強は難しかった。特に国語とか難しいので頑張って下さい。
Q得意な教科って何ですか?
英語です。自分ができる教科を頑張っていれば評価は上がると思うので頑張ってください。
最初はめっちゃ難しかったけど、日本語学校とかに通ううちにだんだんわかるようになってきた。数学と英語ができれば何とかなると思います。
Qいま高校に入って学校の授業はむずかしですか?
生物基礎とか社会の公共とか難しいです。
中学の勉強が高校の基礎になるので、皆さんには今中学の勉強をしっかりやってほしいと思います。
Qでは高校生活どんな感じですか?
結構たのしい、友達できたらもっと楽しいです。また高校の体育祭とか中学と全然違うのでとてもたのしいです。
Qさっき高校の説明でアルバイトのことが出ていましたけどアルバイトしていますか?
コンビニで働いています。週に3回か4回働いています。ほか二人はアルバイトやっていません。
Q最後になりますが将来の夢を教えて?
卒業して大学へ進学したい。
Q皆さんから聞きたいことありますか
会場からの質問。 他の学校も同時に出願しましたか? していません。南葛飾1校だけでした
都立浅草高校の説明
次は、都立浅草高校から総務部の池田先生に来ていただき、都立浅草高校について説明してもらいました。
都立浅草高校は昼夜間定時制で、1部、2部、3部とあり、部をまたいで授業を取れば、3年間で卒業することができます。また服装も自由ですし、アルバイトも可です。しかも都心にあるので通学にはとても便利です
昨年の場合ですが、入学者選抜の状況を見ても、高い倍率ではありません。在京外国人枠は1月26日の募集枠は一部10名、2部10名ですが2月21日の一般入試の分割前期では一部、2部それぞれ64名3部で48名募集しています。その場合、もちろん一般入試ですから日本人と混じって受検になります。
最後に今回参加してくれた外国人からのアンケートで参考になるものを載せます
これらのデータからわかることは、日本上陸のデータからは、在京枠の受験をうけられるのは入国後3年間という条件から、このうち約半数強です。全員が在京入試を受けられるわけではありません。
都立高校を選ぶ理由は、高校卒業後に大学へ進学する場合と高卒で就職する場合がでてきます。
大学へ進学する場合は家族滞在のまま進学することができますが、
高卒で就職する場合は、働く会社が決まっていれば、卒業証書と雇用契約書など持って入管に届をだせば特定活動、あるいは、小学校卒業までに入国していれば定住者の届が出せます。(詳しくは必ず入管に確認のこと)
家族滞在のままだと週28時間しか働くことができません。そのため、高校卒業の意味は大きいです。
今回のプログラムでは参考になったプログラムでは、受検の話は今回の目的なので当然ですが、2番目になったのは、都立浅草高校の話でした。
参加者は、今回、先生が来てくれてじかに説明してくれたことと、昼夜間定時制というシステムや服装や髪の毛など自由な雰囲気に興味を示したようです。
参加国としては、モンゴル、中国、バングラディッシュ、インド、ネパール、フィリッピンなど多彩でした。
ガイダンスの評価もほとんどの方に満足してもらえました。
今後のことですが、全員が在京受検で合格するわけではないので、来年に入り早い時期に2回目のガイダンスを開きたいと思います。ともに生きる社会を目指すため、わかりずらい都立高校への入試を今後も助けていきたいと思いました。
今回のガイダンスを開くにあたり、都立南葛飾高校の皆さんや、都立浅草高校の皆さん、江戸川区の教育委員会、葛飾区の教育委員会の先生方、江東区国際交流協会の皆さんや、江戸川区の日本語クラブの皆さんやIWC国際市民の会の皆さん他多くの方々のご協力をいただきました。このWeb上でお礼申し上げます。
(文責 斉藤宏)