わたしがほしい社会を作る NPOハロハロ 人が主役のまちづくり

フイリッピンでは230万人もの人が貧困の中で生活しています

フィリッピンの人口は約1億人で日本の人口にほぼ近いのですが、2018-2021までの統計では230万人もの貧困に陥る人々がいます。いわゆる国際貧困線(Poverty Line)以下の一日1.9ドルで生活している人々がたくさんいるのです。ご存じのように国連では2030年までにSDGs(持続可能な開発目標)としてグローバルイシュー解決の目標がたてられたのに、フィリッピンではいまだ解決されてはいないのです。

フィリッピンに飛び込み社会起業を目指すことに

ハロハロ代表の成瀬 悠(なるせはるか)さんは、大学を卒業し、就職もしたものの、フィリッピンでごみの山の中で生活する人々などを目の当たりにして、「私は何のために働くのか、何のために生きるのか」のジレンマに苛まされたといいます。
そこで、フィリッピンの現場に飛び込み、現地で実践している社会起業のワークキャンプに参加しました。そこで、ごみ山のふもとで、ジュースの空き袋からバッグやポーチを作る住民グループと出会いました。2008年からは日本で地元の人たちが作った商品を販売する活動をスタートさせました。2008年個人事業「ハロハロプロダクツ」を手始めに、NPO法人ハロハロを設立し社会事業家としてSDGsの課題「貧困解決」を目指しています。

解決すべきはお金だけではなかった

ところが、事業を始めることで、収入は増えたものの仕事が忙しくなり、家族との時間が無くなってしまったという気持ちが耳に入ってきました。実は母親たちにとってみると、収入を増やす以上に、きれいで安心な環境の中で子供たちを育て、子どもたちに教育を受けさせたい気持ちが強いことが分かったのでした。その気持ちを知り、必要なのは「コミュニティデベロップメント」で、援助でなくチャンスをつくるお手伝いをすることにしたのです。一人ひとりの行動が社会変化につながることを実感できる場、チャンスを世界に広げることを目標にしました。

進める事業の柱は

生計向上 地元の天然素材を基にした手工芸品製作やマイクロクレジット(少額資金融資)
教育 幼児教育 高等教育や大学奨学金制度設立
啓発 環境、国際理解、エシカルなまちづくり
として、援助でなく、だれもが魅力的に働き生きることのできる社会を広げる活動を行ってきました。活動地域は、マニラ、セブ、ボホール、日本をつなげました。

フェアトレードのブランド「NINDOT」、(ビサヤ語で「Nice」 という意味)を立ち上げた

都市部は発展しているセブでも全体を見るとトイレのない世帯が8割で、9割以上の世帯がローンを抱え、女性の7割は専業主婦です。
ハロハロが目指すのは…どんな環境に生まれても、よりよい地域社会づくりへと”働く”機会を得て挑戦すること、そして豊かさを共有する生き方をしていくことです。
そこで「NINDOT」というブランドを立ち上げ、フェアトレードを行うためフィリッピンの自然素材、麻、貝、淡水パール、ウッドパーツなどを生かし、試作を重ね麻ひもを使ったシュシュ商品などを作ってもらいました。

次に「ハロハロ教育基金」を作り幼児教室の支援を始めた

ただもらうだけの寄付ではなく、収入を得ることで地域の女性たちの尊厳を回復していきました。一方でハロハロ教育基金を作り幼児教室の支援を行いました。読み書き計算の基礎、子どもや両親の姿勢など改善し幼児教室ではすでに、延べ140名の卒園者を作り上げています。ハロハロ教育資金は現在、大学生への奨学金支援へと拡大しています。

支援者を増やすため、自分自身の生き方を変えていくこと= 新しい社会を作っていくことと呼びかけた

この活動の特徴は遠くから支援するのではなく、現地に自分が飛び込みことから始めたことです。平和で豊かな地球をみんなでつくっていかないとみんなの未来がない。今の持続不可能な社会から豊かな未来につながる社会に形を変えていく時が今!「自分自身の生き方を変えていくこと= 新しい社会を作っていくことと」呼びかけています。参加する人たちに勇気を与えてくれる活動です。

NPOハロハロ11周年記念イベントが開かれます

2023年12月9日(土)11:00~18:00 古家カフェめぐる(墨田区文化1-2-5) 2Fギャラリー
会場参加費1000円 カフェでの1ドリンク付き&ハロハロのフェアートレード雑貨付き
11:00~12:00 ハロハロ11周年記念活動報告 予約必要8名
12:00~18:00 バザー、写真、交流
協力 協力隊フィリッピンoB/OG会

以下は今回講演のスライドです

が活動の中で、教育を柱にしていることは私たち全国国際教育協会においても応援したいです。モノやカネの支援ではなく「人づくり」こそ持続可能な社会を育てることができるからです。

(報告 斉藤宏)

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